石川です。クリスマスにモデル探してます。


(この話は浮草堂の創作であり、実際の加賀ロリ企画では、モデルの募集や、すべての衣装作成は行っていません。ご了承ください)加賀ロリHP http://kagaloli.jp/
 石川は美しいものが好きだ。
 絢爛豪華なものが好きだ。
 働くのは嫌いだ。
「可愛い子おらん?」
 自力で探せ。
 
 富山は呼びつけられた上、相談の内容がこれという事態を受けて、真っ先にこれらを考えた。
 主に、自力で探せの部分を。
「まあ待てま」
 金つばを出して懐柔しようとする石川。帰りかける富山。
「僕、着物のモデル探してるんや」
「自力で探すちゃ」
「まあ待てま」
 なんじゃこれループ?
「僕な、加賀ロリいうて、石川の伝統工芸とロリィタファッションを融合させたデザイン画、募集したんうぇ」
「ほう。それはようやったっちゃ」
 しかし、俺には関係ない。
「それでファッションショーやるやさかい、モデルいるんや」
「で」
「一緒に探してくれんが?」
「あんにゃ(お前)一人で探さんか!」
 そもそもそういうものは、企画段階で用意しておくものであろう。と言うと、石川は泣きそうな顔で、企画段階では一着しか作成しない予定だったが、企画ができると、応募作品のあまりの出来のよさに、全て着てほしくなったのだ、と話す。
「ほしたら、何で公募せんけ?」
 うーんと、石川はうなった。
「怒らんが?」
「言うてみ」
「僕が勝手に言うてるやさかい、予算降りんかった」
「だーま(バカー)!」
 思いつきで動くのも大概にしろ。他人の都合というものも考えろ。だいたいお前は人生すべてがちゃらんぽらんすぎる。
と、一通り説教した後、富山は携帯を取り出した。(結局協力させられていることに、彼は気づいていない)
「当てがあるんが?」
「福井」
 絶対無興奮クーデレ眼鏡の福井。彼女なら、同じ北陸のよしみで一着くらいは着てくれるだろう。と、いうかまず俺に連絡する前に、連絡しろ。と番号をプッシュしようとしたところで、後ろから羽交い絞めにされた。
「福井は! 福井だけはかんにんうぇ!」
「何で!?」
 怒声交じりで聞き返すと同時に、鳴る電話。
「ひいッきたあ!」
 悲鳴を上げる石川を無視して取る。
 ざーざーと雑音の中、ぼそぼそと響く声。
『福井にモデルの仕事なら、おいを通して貰おうか』
 切れる。
 発信者・熊本
「どんだけ激しいんけあの男!」
 熊本の熱い恋心か、ストーカー魂に恐怖を覚える。
 ついでに、石川がすでに福井には連絡していたと見直す(見直すレベルが低い)。
「福井への道を鎖されたら、僕には女っ気なんて……ッ」
 認めたくないが自分もだ。このままではモデルなんて……!
 そこに、再び携帯が鳴る。
 発信者・和歌山
「もしもし」
『あ、富山ー? めりくりー』
「めりくり?」
『MerryXmasに決まってるっしょー?』
 あ、ああ、今日はクリスマスか。すっかり忘れていた。
「ほうけ。ああ……何?」
『カノジョの一人がー、ブリ食べたいって言ってるから、送ってほしいんよー』
「ああ、きときとの送っちゃる」
 ブリか。ブリならば、誰にも負けない自信がある。
『マジでマジで? めっちゃ喜ぶわ。マジ感謝。お礼とか何がい?』
「か」
 いつものくせで、一瞬で金と答えそうになったが、ふと気付く。
「女の子とか紹介してくれるけ?」
『えー、富山がそんなん言うってマジ意外やし』
 うるさいほっとけ。やましい気持ちはないんや。
『どんな子がタイプ? カノジョの友達紹介するで』
「……石川、服何着け?」
「233着」
 それは無理だろう。
「233人、モデル欲しいっちゃ」
『え、モデル探してるん? 富山の豪雪地帯もやっと雪解けかと思たのに」
「ほっとけねま。まあ、233人は……」
『俺の彼女たちで友達に連絡とってもらうけどー、可愛い子で北陸行ける子で限定でも、その数は厳しいなあ』
「まあ、そうだっちゃね……233人も女のつてあるやつなんて……」
「今彼女らが言うには、不公平とかないように、400着は欲しい言うてんねんけど。頑張れる? やっぱ、「あの子は誘ったのに」とかあるらしくって」
 世間はクリスマス。
 電話の向こうでは、複数の女の声。
 400人女のつてがある男と、1人のつても切られた男達。
 北陸は、吹雪です。