小説

ハードボイルドダークファンタジー多め。銃と刃がrock 'n' roll! 超重量級の物語。 毎月最初の金曜日更新

正しいことをするためなら、手段はなんだっていい。
少年はそうやって生きてきた。
誰かを助けるためなら、自分の命は犠牲にして当然で。
誰かを故意に傷つけるなら、命を奪うのはただのもっとも簡単にそれをやめさせる方法で。
白と黒しかわからない。白であるためにはなんでもする。
そうやって十六年生きた彼は、名前のない怪物となってしまった。
最上級悪魔【鉄の女王】メフィスト・フェレス。
彼女と出逢った名前のない怪物。
彼女の軍勢に加わった彼――七竈納。
戦いを知り、友達を知り、優しい大人を知り、恋を知り、人間に近づいていく。
この世界は彼にとって理解しきるのにはあまりに複雑で、困難で、それでも彼は歩みを止めない。
傷つき迷い間違えて、殺して愛して大人になる。  生きるのがヘタな少年の成長戦記。

空六六六 連載中記事一覧

空六六六 第一章 出逢ノ語リ 一

 近田珠はチョイ役である。 彼女なりに人生の主役を張っているつもりだが、歴史の中では常にその他大勢としか表現されない少女である。 そして、この物語でもやっぱりチョイ役である。 物語の冒頭で主人公と出会い、そして以降の物語で一切出番が無い。 ただの、チョイ役である。 こんだ たま 分類 高校生 イケメ...

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空六六六 第一章 出逢いの語り 二

「もともとな、ここらの村は薔薇菩薩も含めて、八幡さまの信徒じゃった」 北海道土産の木彫りの熊が見つめる応接間。 老婆は湯呑を握りしめて言う。「ちゃんとのう、八幡さまのお祭りだけは欠かさんかったよ。戦争中はそりゃあ質素になったがのう。八幡さまのお祭りちゅたら、子どもらにとっては正月くらい楽しみじゃった...

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空六六六 第二章 修行ノ語リ 一

 土御門篝火は恋をしている。 いわゆる初恋というものをずるずる引きずって、再会する望みがない相手だからこそ、安心して恋を続けている。 しかし、彼の恋はこの物語で砕け散る。 完膚なきまでに、散る。 つちみかど かがりび 分類 高校生「蛍、好きー!」「ぎゃああああっ!」 可愛さのかけらもないガチな悲鳴を...

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空六六六 第二章 修行ノ語リ 二

「ふうん、納ちゃん京都に行っちゃうんだあ」 先生は缶コーヒーを灰皿代わりにしながら、にやにやと笑った。 納は彼を先生と呼ぶ、先生は自分をウィルヘルミナと名乗る。偽名だ。ペンネームでもない。だから先生と呼ぶ。「別に一時的に行くだけだよ。鍛えて貰うだけ。また帰ってくるよ」「帰ってくるなんて宣誓するほど遠...

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空六六六 第二章 修行ノ語リ 三

 背後から衝撃。 激突する地面。 コンクリートに押し付けられる。肺への圧迫。呼吸不可能。きしむ肋骨。ねじりあげられた両腕。「ってアレ!? あなた篝火デスカ!?」 女の声? 驚きを隠さない声。ややカタコト。 とにかく痛いので必死で頷く。「ゴメーン、泥棒かと思っちゃったヨ!」 白髪の少女。屈託皆無の解放...

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